NEPAL PROJECTを終えて 第4期海外事業部長 高島秀文

夜のトリブバン空港に降り立つのは、これで3回目だ。

覚えのある風景、匂いが体に入ってくると同時にそれが心を引き締める。

恒常的な電力不足の薄暗い世界への怯みはなくなり、

ネパールの人々は薄暗い風景の一部ではなく、それから浮き出て見えてくる。

 

ネパールは激動の時代の真っただ中だ。

カトマンズ市内で頻繁に見かける鎌と槌(マルクス・レーニン主義)の旗やペイント。

私たちの滞在中に起こった全国規模のバンダ(ストライキ)と首相の交代。

新憲法制定の難航の中、マオイスト(毛沢東主義派)のバッタライ首相が辞任し、

無所属の最高裁判所長官のレグミ氏が暫定的にその後を継いだ。

2008年に王政から連邦民主共和制に移行してから続く政治的混迷。

高い経済成長を見せるアジアの二大国、

共産主義の中国と民主主義のインドに挟まれた小国ネパールは、

今後どのように立ち回っていくのだろうか。

ネパールの未来を背負うのは、誰で、何が必要なのか。

 

私たちが集中的に支援を行っている村では、

働き盛りの歳の男性は街に出てしまうため殆ど見ることがない。

「平和」という言葉がピッタリなくらい、ゆっくりとした時間の流れるこの村だが、

家族の働き手によって街と村は見えない糸でつながっている。

 

今年は、活動地域を一気に広げた年だった。

今までは1校でしか行なっていなかったワーク(授業や読み聞かせなど)を、

6校4村に渡って行なった。

また、本の寄付も去年の2校から5校+1施設、計6ヶ所に増やした。

 

去年度に村とKIVOとで共同で建てた図書館の状況はと言うと、

本の冊数が減っていた。

私たちが村に訪れた時は、SLC (School Leaving Certification)と呼ばれる

高校卒業認定試験兼大学入学試験が間近に控えた時期だった。

教師によると受験生へ本を貸し出したことで冊数が減ったそうだ。

幸いにも図書館は「本の保管庫」とはなっていなかった。

彼らによればSLCが終われば、元の冊数に戻るだろうとのことであった。

しかし、実際には長い間返却されていない本もあるとのこと。

課題はまだあるということだ。

 

「史上最高のネパールプロジェクトだった。」

これは個人的な感想ではなく、現地コーディネーターのスシルさんの言葉だ。

それは3年間先輩達が積み上げた努力、

それによって心を開いてくれた村人たちの姿勢があったからこそである。

勿論、国内での活動を支えてくれた方々への感謝も忘れてはならない。

本当にありがとうございました。

 

「国際交流を軸にした国際協力。」

これを確立した国際協力学生団体KIVO。その今後の活躍に期待だ。

 

KIVO 4期海外事業部長

成蹊大学 3

髙島秀文